「サバーブ」の プロフィールと 願い
"サバーブ" とは、オーストラリアで使われている"小さな街の単位"という意味の言葉です。
再開発が進むこの鷺沼にて、それの空白期間において、食とアートと音と珈琲を軸に、人と情報が交差する、まさに "街の縮図のような場所" を創りたいな、と思ってこのサバーブを11月25日にオープンしました!ぜひ応援してください!
ご挨拶
はじめまして!bonvoyage株式会社です。
私たちbonvoyageは建築だけでなく、デザイン・不動産活用・まちづくり、事業計画の立案・経営の伴走という多面的な視点からプロジェクトの全体最適化を図り、事業の企画・プロデュースを行っています。
まずはご挨拶がわりに、これまで私の取り組んだプロジェクトの一例についてご紹介させて下さい。
私たちは、建物の所有者から相談を受け、既存建物を再活用するためのプロデュースを数多く行ってきました。
その中で、既存建物を再利用して新たな息吹を吹き込んだ例です。
私たち自身が運営にも関わっている「CHILL」と「hatome」という2つのカフェがあります。
私たちが大切にしているのは、「事業者目線の一方的な開発にしないこと」。
CHILLは鷺沼と同じく川崎市にあり、JR南武線の武蔵新城駅から徒歩3分ほどの場所にあります。
CHILLをプロデュースした時、街に飛び込んで地域の人のリアルな要望を聞くことにしました。近隣の元ガソリンスタンドを会場にして、子どもが水遊びできる本格的なプールを設置して海に見立てた「海開き」イベントを開催。リラックスした雰囲気の中で、100件以上のアンケートを回収することができました。そこから見えてきたのは、文化的な施設が街に少ないことに対する地域の人々の潜在的な不満でした。加えて、子育て世代が特出して多いというエリアの特徴も見出すことができました。そうして、地域に暮らす20代〜40代の子育て世代をコアターゲットに定め、街の関係人口増加も狙った文化的施設を企画していきました。
このようなプロデュースの経験を経ながら、今回、再開発を予定している鷺沼の街の拠点について相談をいただきました。
(CHILLの写真)
地域住民が築いてきた鷺沼、これからの鷺沼
鷺沼駅は、川崎市宮前区に位置する東急田園都市線沿線の駅です。
ファミリー層が多い住宅街の落ち着いた雰囲気と、都心へのアクセスの良さが特徴で、ベッドタウンとして多くの方が暮らしているイメージがあります。
一方で、鷺沼駅周辺には、飲食店を中心とした個人経営の小さなお店が集まっており、ローカルな人情味あふれる雰囲気があります。
そんな鷺沼ですが、現在再開発計画が予定されております。
区役所、図書館、市民館のホールが宮前平から移転する計画で、宮前区の公共施設が集結し商業施設と一体となった鷺沼駅の新たな顔が誕生します。
そのような、再開発によってこれから変化していく鷺沼のことを住んでいる自分たちが考えたり、一緒に住んでいる鷺沼の仲間たちと話し合ったりできる“場所”や“コンテンツ”が必要ではないかと考えました。
2022年、2023年に鷺沼でイベントを開催
そんな思いから私たちは、まずスタートとして、鷺沼の地域住民の方々を巻きこんでいきたい、皆さんに楽しんでまちづくりに参加していただきたいと考え、2022年11月に2日間のイベント「スイッチ!サギヌマ」を開催しました。鷺沼の魅力を再発見してもらうため、鷺沼駅前のみに留まらず、鷺沼小学校・鷺沼公園までを歩いて周遊するイベントとしました。小学校まで向かう並木道にアートを施し、電動キックボードモビリティ実験やバスケットボール大会、謎解き街歩き、地産地消マルシェ、地元住民によるマルシェ、 廃材を用いた絵馬を飾れるまちづくり神社や什器の設置等を実施しました。
2023年には地元の商店会の方と一緒に「FEEL! さぎ沼・サギヌマワンダーランド」を開催し、約7000名の方々に来場いただき、地元ならではの出店やイベントを楽しんでもらいました。地元の小学校とも連携し、並木道に手づくりのアートガーランドを設置したりと、準備段階から住民の方々に参加してもらうイベントとなりました。
これらの体験を通して、「鷺沼がどんな街になると良いだろう?」と住民の皆さん自身にも考えてもらえるような実験的なコンテンツを中心にイベントの企画運営を行いました。
皆さんが今後の鷺沼にどんな姿を求めているのか、鷺沼に住む皆さんの意見を反映させたいという思いから「まちづくり神社」という企画を行いました。大人から子どもまで、思い思いに書くことができる場を用意したところ、400名をも超える方々にご参加いただき、たくさんのご意見を集めることができました。2023年のイベントでもアンケートを実施し、その中でも多くみられたのが、「自然豊かな」「緑でいっぱいの」というワードとともに、「カフェが欲しい」という意見でした。
確かにその後行ったヒアリングでも、子育て世代なども気軽に入れたり、幅広い客層が集まりやすく、かつ長い時間滞在できるような場所は意外と少ないのかもしれない、ということが分かりました。
〈イベントの様子〉
地域の方々が集まれて、つながる場所が必要
イベントに引き続き、住民の皆さんとこれからの鷺沼を考えていくためには、
より多くの鷺沼の住民に関わってもらう必要があるため、目に見えた実際の拠点があると良いのでは?と考えていました。
それは、人や街の情報が集まり、食やアートが存在し、笑顔が集まり、緑に囲まれ、いい音楽が流れ、1人で来ても気の置けない仲間と来ても楽しめるような、そんな場所。
店に立つ人も、店に来る人も、自分の人生や自分達が暮らすこの街が豊かになるように願っていて、そんな会話が繰り広げられる。
そんな場所が日常にある、って景色を目指しています。
そこで私たちは、そのような場所を、みんなの手に届きやすい場所に作ることにしました。
立地は、鷺沼駅の正面口から出てすぐ右にあります。東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ 鷺沼駅前店」があった場所。
鷺沼で暮らす皆さんが、通勤・通学やお出かけで電車やバスを利用する際に必ず通るといってもいい場所です。
内装材には極力再生可能な素材を使用し、この場所が解体された後も再利用できるようにしたいと考えています。
なので、少しチグハグな素材感だったり、一部簡易的な什器になってしまうかもしれませんが、それをアートとして解釈できるような空間にしていこうと思います。
また、店内にはグリーンショップ(地元のFlowerVilledgeさん)の機能も内包し身近にグリーンを楽しむことができ、緑の存在が強く感じられる場所にしたいと考えております。
不定期ながら、トークイベントを開催したり、音楽セッションを開催したりとか、そんな場所にもしていきたいな、と考えています。
なので、この場所を通じて出会った人や情報を蓄積して、変わりゆくまちの中で自分が知らず知らずのうちに「まちの当事者」になっていて、気がついたらどんどん前向きにまちと関わっている。そんな姿を目指しています。
(鷺沼にあるFlower Villedgeさんの写真)